By Elfee Chiang – Marketing, GRL
Introduction
USB-IFは、2021年5月26日に最新のPD仕様であるPD 3.1をリリースし、6月23日に100W USB-C to USB-C Cableの認証試験終了のお知らせと最新のPD試験仕様であるPD Merged Test Specificationをリリースするなど、Power Delivery（PD）認証に関する仕様や試験条件の変更を数多く発表しています。
現行試験と旧試験の内容の違いの概要は下表のとおりです。
表1. USB-IFによるPDに関する最近の変更点
PDマージテスト仕様書に関するよくある質問
PDマージテスト仕様書の公開後、様々なご質問をいただいております。寄せられた質問の中で最も多いのは、以下のようなものです。
- 従来のCTSとの違いは何ですか？
- すぐに新CTSでテストが行われますか？
- 認証テストに旧バージョンのCTSを引き続き使用することはできますか？
- 新バージョンのCTSで不合格となった場合、どうすればいいのか？
- 新CTSに伴い、テストフローも変わるのでしょうか。
主な変更点
- マージされたテスト仕様は、3つのオリジナルテスト仕様を結合したものです。PD 3.0 テスト ドキュメント、PD 2.0 コミュニケーション エンジン MOI、PD 2.0デターミニスティックMOI。
- 最近発表されたEPR拡張電力仕様の検証のため、VIFやプロトコルの検証など、EPR関連のテストがMerged Test Specに記載されています。
- テスト機器の選定に一部変更があります。従来はPD3.0とPD2.0をテストするための測定器の選定が異なっていたが、今回のマージテスト仕様では、4ブランド（GRL USB-PD-C2, MQP-PDT, Ellisys Explorer 350, LeCroy Voyager M310P）のうち2つの測定器を選択して検証する必要があります。 以下の表2をご参照ください。
表２ PDマージテスト・テスト機器
* Merged Test SpecにはEPRプロトコル関連のテスト項目が一部しか含まれていないため、EPRをサポートする製品は現段階ではプレテストしか行えません。
GRLテストフローとUSB-IF認証テストフロー
*このフローは、PD Merged Test Specの猶予期限後2021年末に終了しました
- Aこの段階で、Merged Test SpecでテストしてFAILの項目が表示された場合、旧バージョンのCTSを選択して認証することが可能です。 旧バージョンでの認証結果がPASSであれば、それを認証データとしてアップロードすることができます。
*USB-IFの公式サイトにアップロードされるテストデータには、新バージョンのCTSによるテスト結果が少なくとも1つ含まれている必要があります。 - 現時点では、新旧両方のバージョンのCTSを認証テストに使用することができます。 GRLでは、テストフローに若干の調整を加え、テスト前のデバッグとその後の検証にどちらのバージョンのCTSを使用するかを確認できるよう、ユーザーをサポートします。以下のフロー図をご参照ください。
図１ GRL PD テストフロー （PD Merged Spec）
*免責猶予期間 #更新日 2021年7月20日
USB-IFが定める猶予期間：新バージョンCTSでのテスト結果がFAILの場合、USB-IFにWaiver申請（Waiver申請フォームに記入）することができます。
上記の点は、PDマージテスト仕様のリリース後の大きな特徴や違いになります。なお、CTSの新バージョンへの対応は測定器ブランドによって異なるため、お客様からの特別なご要望がない場合は、GRL-USB-PD-C2でのテストを優先させていただきます。 また、EPRテスト仕様の完全版はまだリリースされていませんが、新バージョンでのEPRプロトコル関連項目を確認するために、現段階でICベンダーに製品を送り、プレテストをしてもらうことをお勧めします。
上記内容に関するご質問や詳細については、info@graniteriverlabs.com までお気軽にお問い合わせください。
If you have any questions about the above content or require more details, please feel free to contact GRL at info@graniteriverlabs.com
USB-IFについて
USB Implementers Forum (USB-IF) は、Apple、HP Inc、Intel Corporation、Microsoft Corporation、Renesas Electronics、STMicroelectronics、Texas Instrumentsなどが共同設立した非営利団体です。 ユニバーサルシリアルバス技術の仕様策定、認証フローの統一、インターフェースの技術的普及に取り組んでいます。 USB-IFの詳細については、USB-IFの公式ホームページをご参照ください。
著者
Elfee Chiang – Marketing, GRL (Taipei)
USB、USB-C®、USB Type-C®およびUSB-IFは、USB Implementers Forumの登録商標です。
免責事項
この情報はあくまで参考でUSB Implementers Forum (USB-IF) の公式な通信ではありません。USB-IFのオフィシャルコミュニケーションは、ウェブサイトusb.orgまたはUSB-IFから直接入手することができます。
