発表からわずか一年、Wireless Power Consortium (WPC)のオープンワイヤレス充電規格Qi2は1100もの新しい商品と世界で15億台のデバイスに対応しています。これは、従来のQi規格に比べ6倍の普及率を記録しています。新しい開発者と製造者がこの波に乗る中、2025年にQi2ワイヤレス充電はどのように進展するのでしょうか?
そもそも「Qi2 Ready」ってどういうこと?
元々のQi2規格ではMagnetic Power Profile (MPP)規格に基づいて機器に磁石を埋め込む必要がありました。 これによって、デバイスと充電コイル間のアライメントを確保するだけでなく、MagSafeとQi2のデバイスと充電器の互換性を実現していました。しかし、Qi2の導入による機器の太さと重さによって、製造者はQi2に躊躇していました。
その問題に対し、WPCはEPPスマートフォン(MCPE)のためのMagnetic Case Profileを作り、非磁性BPPとEPPスマートフォンユーザーもインケースマグネットによってMPPの機能を楽しむことができます。これらのスマートフォンやケースは「Qi2 Ready」とみなし、製造者はマグネット内蔵を必要とせずにQi2エコシステムに参加することができます。Qi v2.1アップデートの一部である「Qi2 Ready」は代わりに磁石を埋め込んだスマートフォンケースによるワイヤレス充電を組み込むことを可能にします。現時点ではWPCはMPPに対応している機器をQi2としてみなしています。その一方、非磁性の拡張パワー・プロファイルとベース・パワー・プロファイルはバージョン2.0.0またはそれ以上を満たしていたとしても、そのままQiとしてみなされます。
これは混乱を招くかもしれないが、「Qi2 Ready」はスマートフォンアクセサリー全体の標準化を促進し、サードパーティ製のスマートフォンケースとコイルとの位置合わせが不完全であるなどの問題を排除できる可能性があります。これらの問題はすでに現時点の市場でも多く見られます。
Qi v2.1 Active Alignment Power Profile (APP)と
拡大しているワイヤレス機器の市場
「Panasonic Automotive Systems’ Active Alignment Power Profile」もムービングコイル方式という形でQi v2.1を導入しています。ワイヤレス充電が車載充電システムに組み込まれるにつれて、ムービングコイルは安定な充電速度を可能にし、デバイスが充電パッドに置かれるならどこでも理想的なコイルのアライメントを実現することでユーザーエクスペリエンスを高めます。この技術は電力伝送を怠らずに、EPPとMPPパワープロファイルのために使えるひとつの充電器の使用を実現します。この技術はスマートフォンのコイルの位置を特定するために小さなパルス信号を送信することで、送信コイルを整列させ、電力伝送時のカップリングと効率を最大限に出します。
Qi2と2025年に期待されていること
Qi2 ワイヤレス充電の開発はSamsungなどの大手企業がQi2 対応機器を発売するのに伴い、今後数年で加速すると予想されています。GoogleもQi v2.2規格の開発で主導的な役割を果たし、独自の高出力ワイヤレス充電技術を WPC に提供する予定です。
RF Safety Lab の FCC & ISED コンプライアンス担当プレジデントであるスティーブ・リューと、GRL のプロトコルとパワーソリューション担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるラジャラマン V. によるRF Safety Lab とのウェビナー「New Qi v2.1 Technical Features + Comliance Considerations for USA and Canada(新しい Qi v2.1 の技術的特徴と米国とカナダにおけるコンプライアンス上の考慮点)」 をご覧いただき、Qi2 ワイヤレス充電の最新動向をご確認ください。
正式にGRLのWPCに承認されたテストラボでQi機器を認証するかまたは当社のワイヤレス充電テストソリューションでQi2コンプライアンステストを自分で自動化しましょう。